学生症候群から抜け出す方法

勉強会で発表することで学んだこと、気づいたことの1つを書いてみようと思います。


"学生症候群"とは、学生が試験ギリギリまで勉強を始めないことに喩えて、何か期限がある作業をする際に、期限まで余裕があればあるほど作業の開始を遅らせてしまうことを言います。


本題に入る前に、今回勉強会で発表することになった経緯を少し書きます。
えんたく勉強会の主旨の一つに「アウトプットの場である」というのがあって、毎回誰かがミニセミナーをすることになっています。
第一回目のときに、毎回のコンテンツをどんな内容にしていくのか話し合ったのですが、まず参加者が興味をもっていることをブレストでどんどん挙げて、その中から特に興味を持っているものをピックアップしました。
私もいくつか挙げて、ピックアップしたのが「ロジカルシンキング」でした。そして、せっかくだからやる?という感じで発表させていただくことになったのです。


なぜ、数ある興味あることの中からロジカルシンキングを選んでしまったのか。

私にとってロジカルシンキングは、もうかれこれ7年くらい脳の片隅にあって、たまに思い出しては「ちゃんと身につけなきゃなー、勉強しなきゃなー」と思う存在です。
最初のきっかけは、高校生のときに小論文が中々書けなかったことです。大学に入ってからはレポートが書けない・・・などある程度の長さの文章を論理立てて書くことが苦手だったことが、ロジカルシンキングに興味を持つようになったきっかけの1つです。
それから、上に書いたことと共通する部分があるのですが、会話をしているときに「で、結局何を言いたいの?」と聞かれるほど話が分かりにくいというのがあります。今は以前よりそう聞かれることは少なくなったのですが、それでもまだまだ分かりやすくはないだろうなと思います。
そしてもう一つの大きなきっかけは、働き始めたときに中々仕事ができなくて、私も仕事ができる人になりたいなと思って、"できる人"はどんなことを考えて何をやっているのかを調べている中で、ロジカルシンキングが重要だと感じたからでした。


7年もの間、たまに思い出してはちょっと勉強してみようと行動を起こしてみるけどうまくいかないというのを繰り返していたので、そろそろ決着をつけたいと思って選んでしまったのです。
私はどちらかといえば有限実行のタイプで、みんなに言ってやらざるを得ない状況を作った方がうまくいく事が多いです。そういうこともあって、「ロジカルシンキングをやります」と宣言しました。


さて、本題に入ります。

学生症候群から抜け出す方法

発表をすることが決まってから、発表当日までは約1ヶ月ありました。
関連する内容の本が家に6冊あったので、とりあえずさーっと読み始めました。
と、ここまではその日のうちに始めました。


じゃあ何が学生症候群なのか?と言うと、それから10日くらい経ったくらいから、だんだん発表の準備をしないようになっていったのです。やらなきゃと思ってはいるのですが、何かと理由をつけては後回し後回しにしていました。完全に学生症候群に陥ってしまいました。
2週間くらいそんな状態で、このままではいけないと心底思ったので、なぜ作業が進まないのかを考えることにしました。
そして考えた結果、次のことをやってみたら、学生症候群から抜け出すことができたのです。

動機を整理する

ということです。


「動機を整理する」なんてそれまで聞いたことも無く、考え付いたこともありませんでした。
逆によく聞くのは、「動機を明確にする」です。
でも「動機を整理する」でないとダメだったんです。
その理由を説明する前に、考えた過程を時系列で書きます。↓


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作業が進まなくなってから、まず最初に考えた事は「なぜ作業が進まないのか?」でした。
他人にやりなさいと言われたことならともかく、自ら進んで「やります」といったことなのになぜ進まないのか不思議に思ったのです。


なぜ、興味があることの中から自分で選んで決めたテーマなのに作業が進まないのか。
それに対する答えとして思い付いたのが、「動機が明確になっていない」でした。
動機が明確になってないから行動できないのだと思っていたのです。
そして、「私はなぜロジカルシンキングを学びたいと思ったんだろう・・・?」と一瞬考えて、話が分かりにくいと言われて「分かりやすく話せるようになりたいと思ったから」だと浮かびました。
そうだそうだ。これだ。
よし、これで動機がはっきりしたからこれからはスイスイ進むはず。
と思って、ほんとにスイスイ進み始めたのですが、また停滞してしまったのです。


動機が明確になったのに、なぜ作業がすすまないのか。

今度はこれを考えだしました。
そして、私にとって画期的な問いが思い浮かんだのです。それは、

  • その答えは本当の答えなのか?

つまり、それまで正解だと信じていた事を疑ってみたのでした。
ほんとうに「分かりやすく話せるようになりたいから」というのが理由なのか?
ホントの理由は他にもあるのでは?


さらに考えていたとき「そういえば仕事ができる人はロジカルシンキングができる人が多くて、私も身につけたいと思ったんだ」と思いつきました。
そして、「分かりやすく話せるようになりたいから」ではなくて、「仕事ができるようになりたいから」だったのかと結論付けました。
とういう具合に、なぜなぜを繰り返していったのです。
何回か繰り返しているうちに、
「でもやっぱり、分かりやすく話したいというのが根本の動機かもしれない・・・」と、堂々巡りになりかけたとき、さらに画期的な問いが浮かびました。

  • 動機は複数ある場合もあるのでは?

ということでした。動機が一つしかない場合もありますが、それはむしろ稀なことかもしれません。そして、この問いが重要なことを気づかせてくれました。

  • これまで部分しか見えていなかったのだ

部分部分は見え出して、これが正解かな?これかな?と考えていたのですが、全体が見えてなかったことに気づいたのです。
全体が見えていなかったので、部分と部分がどう関連しているのか、影響を与えているのか、どれが優位になっているのかが見えていなかったのでした。
そして、とても大事なことを思いつきました。

  • 動機を整理してみる

整理してみた結果が、この日記の最初の方に書いた<なぜ、数ある興味あることの中からロジカルシンキングを選んでしまったのか。>です。


考えた過程は以上です。


なぜ「動機を整理する」でないとダメだったのか

「動機を整理する」というのは、「動機を明確にする」の中に含まれるのかもしれないですが、私の場合、”明確にする”と聞くと、はっきり一つにしなくてはと思ってしまうので、”整理する”という言い方の方が都合が良かったのです。
「明確にしよう」としていたときは、動機は何なのかはっきりさせようとしか考えていなかったのですが、
「整理しよう」としていたときは、動機が複数あることが前提になっていて、それらの関連を見つけたり、優先順位を見いだしたりしようとしていました。そして結果として動機が明確になり、その後は作業がサクサク進んでいきました。


「明確にする」ではなく「整理する」の方が良かったポイントは、複数あるという視点が得られることです。
複数ある前提で、目の前に1つしかなかったとしたら、他には何があるのかな?と考えやすいです。
さらに、2つになったときにも、これで十分なのかな?と考えやすくなります。
でも、これはあくまで私の語感の問題です。辞書を引いたわけではないので、これが正しい語感なのかはわからないですが、こんな風に考える人もいるということです。
どんな言葉を使うかで、やる気が出たり出なかったりするというのは興味深いことです。
語感と動機は密接な関係かもしれません。
ちょっと最後は話がずれてしまいましたが、以上です。